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日本語教師のための授業レシピ:スペースアルク
 
工夫あれこれ2

前回、『授業キット』の中でも特に「レシピ」について
詳しくご紹介しました。授業のアイデアが手元にあれば
安心して授業づくりを進められるのではないでしょうか。
さて今回は、初級授業に欠かせない絵カードとレアリアのお話です。
制作時に最も気をつけたこと、
それはつまり、初級授業で教具を使用する際に通じることでした。


普段の暮らしを考えたレアリア

病院、銀行、標識、レストランやファーストフードのメニュー……
わたしたちが普段目にする機会の多い場所やモノは
日本語を学ぶ外国の人たちにとっても目にする機会が多いものです。
それらは「何が書かれているのか」がわかった上で、
自分の目的を達するやりとりをしていかなければなりません。
しかも、それらに書かれている語彙は
初級の日本語教科書にはあまり含まれていないのが現状です。

そこで『授業キット』では、そうしたギャップを埋めるべく
普段、生活する中でわたしたちがよく利用する場所やモノ、
初級の日本語学習をする際に先生方がよくお使いになるツールを
「レアリア」として20種類収めることにしました。
具体的には次のようなレアリアが同梱されています。

薬袋
デパート案内図
標識・サイン
銀行のATM
総合病院
求人広告、不動産広告(間取り図付)
スケジュール表(1日、1カ月
ツアーパンフレット(北海道2枚、沖縄2枚)
マクドナルドメニュー
レストランメニュー(食べ物、定食、飲み物・デザート)
2枚組のチケット
世界地図、日本地図
これらは街中で実物を手に入れると情報量が多すぎて
授業ではかえって使いづらいものですが、『授業キット』のレアリアは
すべて初級授業で使えるように加工してあります。

レアリアを使ったことがない方も安心してお使いいただけるよう、
もちろんレシピには授業のアイデアをご紹介しました。


絵カードが線画である意味

さて、レアリアもそうですが、
絵カードも初級の授業では非常に大切な教具です。
絵カードには目的とする語がしっかり描かれていなければなりません。
どんな語をどんな絵で入れるかについては
絵の構図も含めて著者の先生方との話し合いを重ねていきながら
カード1枚につき1語をシンプルな線画で描く、という基準を定めました。

こうした工夫は、もしかしたら当たり前のように思うかもしれません。
けれども、たとえば絵カードに色がついている、それだけで
語の意味だけでなく、色の情報を理解する必要が出てきます。
線画にすることで、語の意味だけに集中できることを目指しました。

このようなレアリアや絵カードの工夫は、
授業準備の負担を軽くすることにもつながります。
というのも、そもそも初級授業で教師は
「語彙コントロール」がしっかりできる力が求められます。
しかし、いくら教師がきちんとコントロールしていたとしても
教具が情報過多になっていては、学習者が混乱してしまいます。

『授業キット』では「初級授業で使う」ことを前提に制作しました。
ですから、レアリアも絵カードも、初級の情報量になるよう
一つ一つの情報量をしぼっていきました。
つまりは、「最初から語彙がコントロールされた教具」なのです。
最初からコントロールされた教具であるからこそ
授業準備の負担も学習者の負担も、その分、楽になるはずです。

カードの分類方法を追求
『授業キット』の絵カードは全部で483枚あります。
名詞、動詞、形容詞がおのおの1冊ずつ。
文字カード、レアリアもおのおの1冊ずつ。
カードもレアリアも、すべて切り取り線によって切り離して使えます。
名詞は、もの、こと、とき、ところ、ひとの5つに、
動詞は、1グループ、2グループ、3グループの3つに、
形容詞は、イ形容詞、ナ形容詞の2つにカテゴライズされています。
分冊にしておくことで、最初から何がどの冊子にあるかが
一見して判別できますし、裏表紙にはその分冊に入っている
語が一覧できるようになっています。

著者の先生方がこれまでに絵カードを使いながら、
「こうなっていたらいいのに」と思っていたことを
一つ一つ盛り込んでいったわけです。

さて……「でも、冊子から切り離した絵カードをどうすればいいの?」
と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
次回は、切り離したカードをどうするのかについてご説明します。


 


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