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教材・教具で授業作り:スペースアルク
 

このコーナーでは、日本語教育の授業で使える教材、教具をご紹介していきます。教材、教具は使うタイミング、組み合わせ方などで思わぬ効果を発揮します。みなさんなら、どう使われますか。英語教育やその他の外国語の授業にも応用できるかもしれません。ぜひ、参考にしてください。

2008年10月23日

-身近な物を使って-(12)

   日頃、目にしながら気にとめない公共表示。しかし、よく見てみると、命令形であったり、敬語を多用していたり、さまざまな表現が使われています。そして、その言語表現を必要とする場所にパネルや看板として表示されているので、表現意図がよくわかります。事故多発地点であれば赤字で命令調に、高級店の前であれば丁重な敬語が使われています。それらを写真教材にしてストックしておくと、さまざまな授業で有効に使えます。  





主語なしでもわかる?!

前方には横断歩道。日本人なら主語がなくてもわかりますが……。写真のような「~しましょう」の表現は、広く使用者などに呼びかける表現です。教室では「日本語で話しましょう」とか「遅刻をしないようにしましょう」のように使ったりしますが、実際には公園や公共施設でよく見られます。写真のような事例を見せることで、表現されている意味が場面とともに理解できるのではないでしょうか。




七五調の交通標語

道路際の公共表示の写真です。「子どもの飛び出しに注意してください」と言わせる場合、写真に車を入れるとより説得力が増します。一方、交通標語は七五調のリズムに注目させましょう。歩道橋やドライブインなど目立つところにありますので、こまめに写真を撮っておくと、中級レベルの授業で標語を説明させるときに使えます。

絵入りでキケン!

日本人の丁寧さは絵入りの表示板によく表れていると思います。「あぶない」は赤字で示してありますし、工事の人の絵もわかりやすいです。「~してはいけません」を教える際の教材には最適です。工事中の所に低姿勢でお辞儀をしている看板もありますが、いかにも日本的です。

お客様に配慮して

この表示文を読んで、外国の方は意味がわかるでしょうか。一応、禁止マークがありますので、駐輪禁止だとは推測できますが、お客様への配慮が過ぎて、意味が曖昧になっているのでないでしょうか。「駐輪はご遠慮ください」のほうがいいと思います。しかし、このような表現も、日常的には多く使われています。上級クラスでこのような表示板の表現意図を議論するのもおもしろいと思います。




多言語でマナーを呼びかけて

国際化が進んだせいか、最近は多言語の公共表示が増えました。電車の中でもシルバーシートの表示の下に、英中韓の文字が並んでいます。このような公共表示は、意味をわからせるのに便利です。写真の「路上喫煙禁止」は一度音読させたうえで、「道路でたばこを吸ってはいけません」のように別の日本語で言い換えさせる練習に使います。次の写真も助詞を補わせて文にする練習に使えます。

これは日本語?

教材活用の話としては、少しずれるかもしれませんが、よくあるドアの「押」や「引」の表示。エレベーターには、「開」と「閉」のボタンがあります。意味はもちろんわかるのですが、どれも送り仮名が省略されています。本来なら「押す」にしなければ、日本語の動詞になりません。「押」であれば、中国語の動詞になってしまいます。もしかすると、私たちはこれらの漢字を絵文字として認識しているのではないでしょうか。
もちろん、この写真も教材になります。「これはドアを押してくださいという意味です」というように学生に説明させることができます。